長谷寺

インタビュー:長谷寺僧侶  武藤慶雲さん

■鎌倉の魅力、長谷寺の歴史・・・・

鎌倉は山もあったり海もあったりと非常に自然が豊かな場所でございます。また鎌倉時代には幕府が開かれた場所でもあるので、歴史のある寺社仏閣が大変多く点在する場所でございます。

謂れによりますと、長谷寺の観音様は721年(養老5年)に日本の大和の国、今の奈良県で造られたと伝えられております。ですので、今年が2021年(令和3年)でございますので観音様が作られて1300年の節目の年となります。そして観音様がご縁のある土地を求めて大和の国から海に流されまして、15年間ほど海を漂いまして、たどり着いたこの土地に長谷寺ができました。なので長谷寺は736年(天平8年)に開山されたという謂れがございます。

■朝8時に長谷に鳴り響く鐘の音・・・

長い間、長谷寺では朝8時に鐘を撞かせて頂いております。この朝の鐘は午前8時ちょうどにお撞きをしまして、皆さまのお幸せと、ご先祖様のご供養などを込めて、30秒間隔をあけまして五回撞かせていただいております。なぜ五回かと申しますと、時の数え方といたしまして“朝五ツ”という言葉がございます。

それで、五回を撞かせていただいております。
また地元では、この鐘の音を朝支度の合図として、生活に欠かせないものとしていただいている住民の方もたくさんいると聞いております。
そして、毎朝職員は朝8時の開門前に出勤をいたしまして、心を込めて境内をお掃除しまして、
長谷寺への来山者の方をお迎えする準備を整えております。

■長谷寺と地元とのつながり・・・・

今長谷寺では年に2回“長谷の市”というものがありまして、現在はコロナの影響で中止になったりしていますが、通常は5月と10月に開催されています。“長谷の市”は地元商店会の方が実施されている行事でして、メイン会場がこの長谷寺となっています。

境内では地元の商店会の方を中心に出店いただきまして、物販ですとか飲食を販売しております。また境内には特設会場もつくりまして、色々な催し物も行われております。“長谷の市”の1回目が開催される5月はちょうど桜が終わりを迎え、新緑が非常に眩しい時期でございます。また長谷寺名物の紫陽花、早い紫陽花はもう咲き始めますので、そういった時期に合わせて行われています。

そして2回目が開催される10月秋頃は夏の残暑もだいぶ落ち着きまして、まだちょっと紅葉には早いのですけれども、非常に過ごしやすい時期となっています。

 

■長谷寺のおすすめ

長谷寺は“花浄土”とも言われておりまして、四季折々色々な花が咲きます。

どの季節に来ていただきましても、必ず何かのお花が咲いております。また花だけでなく、当山は海が近いので波の音や、時に風の音ですとか、さらに野鳥も沢山おりますので鳥のさえずりですとか“自然の音”を楽しむことができると思います。

 

それから当山の観音様はやはりおすすめです。正式の名前は“十一面観世音菩薩様”と申します。十一面というのは観音様の頭に、十一のお顔がついております。このお像ですが大きさもかなり大きくて9.18メートルでございます。こちらも是非拝観いただければと思います。

 

もう一つは経蔵です。こちらは輪蔵とも言ったりしますが、たくさんのお経が収められておりまして、こちらを一周廻しますと、ここに収めてあるお経(一切経)を全部読んだ功徳が備わるという謂れがございます。経蔵(輪蔵)は観音様のご縁日でございます毎月18日と、お正月の三箇日に廻すことができます。

 

■長谷寺のおすすめ

長谷寺のもう一つの楽しみ方は、境内に“海光庵”というお食事処がございます。

そこからは由比ヶ浜を一望できて、逗子・葉山・三浦半島まで見る事ができます。この景色は本当に素晴らしく、長谷寺で一番の絶景場所となります。

またこのお食事処“海光庵”でご提供させていただいているお料理ですが、お寺の境内にあるお店ということで、精進料理の教えを基にした“お寺のカレー”をご賞味いただけます。こちらは動物性の食材を一切使わずに作られたカレーとなっておりまして、健康志向の方にも非常に人気でございます。ぜひ、店内からの絶景とお食事で穏やかな時間をお楽しみいただければと思います。

 

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